ミーティング依存症の上司の心理的背景
F部長のようなミーティング依存症の上司には、どのような心理的背景があるのでしょうか。
体育会系のノリをそのまま職場に持ち込んでいるのは、「年功序列」「リーダーの意見は絶対」「会議をすること(自体)が大事」「コミュニケーションは必ずリアル」など、これまでの成功体験や習慣への執着がありそうです。
このような執着は、コントロール欲求(常に自分が全員を把握し、中心人物でいたい)や承認欲求(自分が重要な存在であることを知らしめたい)の表れだといえます。部長にとってこれらの欲求が満たされ、体感できる場が会議なのでしょう。
当然、会議は会議でも、自由なディスカッションなどは彼のなかでは会議にカテゴライズされません。また、会議を繰り返したり、全員に反対意見についてどう思うかを聞いたりすることで、責任を分散させているところもあります。なにか問題が生じたときに、自分だけで決めたのではなく、みんなで決めたという形を取るのは、意識的であれ無意識であれ、根底に不安があるからです。
このような人は、常に「自分が不要な存在になったらどうしよう」という恐怖心を持っている場合も多いです。
このような状況に対処するには、部長を立てながら、会議の目的や所要時間をきちんと決めていく必要がありそうです。その際には、たとえば「週30パーセントが会議の時間になっている」などという客観的データを交えて話し合ったり、先に部長の上司にあたる責任者に根回ししたりすることも必要になるでしょう。
久本さんは、このようなデータを集めたうえで、部長の上司にも相談し、それでも解決しないようであれば転職を考えていくことにしたそうです。