麻生太郎氏が国民民主と太いパイプ
さらに、総裁選の決選投票で派閥を挙げて支援し、“高市総理”誕生の立役者となった麻生太郎自民党最高顧問(85)は、国民民主と太いパイプを持つ。事情を知る自民重鎮によれば、「岸田政権時代は、麻生さんと茂木敏充前幹事長(69)が国民民主との窓口をしていた」という。
国民民主党の榛葉賀津也幹事長(58)は10月3日の記者会見で、麻生氏と最近会ったかどうかを問われ、「マンガを貸してほしいと会いに行った」と煙に巻きつつも、否定しなかった。さらに、総裁選後の10月6日には、東京都内で麻生氏と約30分間、面会した。
榛葉氏は8月に、自民党の武田良太元総務相(57)がMCを務めるラジオ番組に出演し、こう語ってもいた。
「今、挑戦したいのはやっぱ与党になりたいですね。自民党の中にも武田さんもそうですけど信頼できる仲間たくさんいるし、そうでない人もいるけども」
高まる国民民主との“連立拡大”の機運。しかし、高市氏の言うように、10月15日に予定されている首班指名選挙までに間に合うかといえば、「それは無理」(前出の国民民主中堅)との見方が主流だ。
公明党の斉藤鉄夫代表も10月4日の高市氏との会談後「連立政権は、政策と理念の一致が不可欠で、そんなに簡単ではない」と早期の連立拡大に否定的な見解を示した。
「高市さんが早く連立をやりたい気持ちはわかるが、国民民主側もそんなに簡単に乗れません。まずは昨年12月に自民・公明・国民の3党の幹事長で合意した“年収の壁”の178万円までの引き上げを履行してくれということ。
それが達成できたら、信頼関係が高まって、次のステージに進める可能性が出てくるということです」(前出・国民民主中堅議員)
自民党としては、来年度予算審議が本格化する来年2月までに、連立拡大への道筋を決める必要があるが、それまでは部分的な政策協力を重ねていくことが現実的な道筋のようだ。