知事は「男女の関係はないと言い訳するのは見苦しい」

本人のホームページなどによると、小川市長は千葉県匝瑳市の出身の独身女性。農家を営む父親と公務員の母親の背中を見て育ち、中学ではバレーボール部、高校では少林寺拳法部に所属、茶道もたしなんで「文武両道」を目指し、中央大学法学部に進学。在学中の2005年に司法試験に合格し、06年には前橋地方裁判所で司法修習、07年に群馬県弁護士会に登録し、前橋市内の法律事務所に勤務した。

そして4年後の2011年に民主党公認で県議選に出馬して当選、4期目の途中の2024年2月、革新系の推薦や支持を受け前橋市長選で現職を破って初当選、女性として初めての前橋市長に就任していた。

市民と距離が近いと言われていたが…(本人SNSより)
市民と距離が近いと言われていたが…(本人SNSより)

小川市長の釈明会見を受け、群馬県の山本一太知事は「10回以上2人でラブホテルに行っていて『男女の関係はない』と言い訳するのは見苦しい。地域のイメージを背負う市長が(窮地に立たされたときに)平気でウソをつくと思われれてしまう」と前橋市や群馬県のイメージダウンを懸念。出処進退について「決めるのは本人だが、ここからどういう流れが起きていくのかよく考えて対応した方がいい」と述べた。

お膝元の前橋市議会では26日の本会議で市長が説明をすることになったという。保守系会派のベテラン市議はこう落胆の表情を浮かべた。

「あんな説明で納得できるわけはない。複数回にわたってホテルへ行ったことは認めて、男女の関係はないなんて言い逃れはできない。しかもラブホテルなら余計に無理がある。進退に言及する以前に、記者会見できちんと説明しようとしないのは不誠実と見られても仕方がない。

小川市長はこれまでの議会では、真摯に説明に取り組むし、仕事面は手堅いイメージがあった。今回の釈明会見を聞く限りいつもの小川市長とはほど遠いので、嘘をついているのかなと違和感があります。ちゃんと本当のことを話すべき」

群馬県政や前橋市政に詳しい地元記者はこう話す。

「福田赳夫・康夫父子、中曽根康弘、小渕恵三と全国最多の4首相を輩出した群馬県はご承知の通り、全国屈指の自民帝国だった。しかし2022年11月に『しんぶん赤旗』が報じて火がついた自民党裏金問題、さらには同月に前橋市の副市長が官製談合事件で起訴されるなど、市民の信頼が揺らいでいた。

2024年の市長選で4選を目指した山本龍氏は衆院議員だった小渕恵三氏の地元秘書や国会秘書を務めた保守のど真ん中。こうした状況下で革新系に担がれた小川氏が、学校給食の無償化や保育の負担軽減、こども基本条例制定などを掲げて当選した。

実家が米農家で、司法修習で訪れた前橋の住みやすさが気に入ったそうですよ。温泉と祭りが好きで神輿の同好会に入っていて、ストレス発散は漫画だとか。不倫もですが、ホテルに行くために公用車を使ったケースもあることから、これまでの走行履歴の開示を求める声もあります」

自民帝国の候補を破った小川市長だが…(本人SNSより)
自民帝国の候補を破った小川市長だが…(本人SNSより)
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浴衣を着こなし、普段から気さくで人との距離感が近いことでも知られていたという小川市長。もはや肉食のイメージは拭い去りがたく、「ラブホに行き過ぎる市長」として後世に語り継がれることは確定だろう。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班