傍聴席から「恥を知れ!」と罵声
9月26日は定例市議会の最終日で本会議が開かれた。生気のない顔で小川市長が席に着こうとしたとき、傍聴席から一人の高齢男性が「恥を知れ!」と罵声を飛ばした。
さらに、議案裁決を前にした討論で最初に登壇した共産党の小林久子市議がいきなり退陣要求を突きつけた。
「小川市長が一昨日、記者会見で謝罪した問題は社会的、道義的にも、市民や市職員、関係者の方々の信頼を大きく裏切るものです。小川市長は、しっかりと説明責任を果たすとともに、市行政のトップとしての自らの出所進退を早急に明らかにすることを求めるものです」
小川市長は伏し目がちに感情をさとられないようやり過ごした。その後、自民党系の最大会派「前橋高志会」の新井美加市議が「過日の記者会見以降、一斉に混乱をきたしていますが、市民の皆様にしっかり説明を尽くし、市政の安定をお願いするものであります」とやんわりと対応を要求。
公明党の中里武市議も一般論の体裁を取りながら「市政執行にあって市長として最も重要なことは自らを律し市民の声を敏感に受け止めなくてはなりません。市民の信頼を失えばそこで市政は成り立たなくなってしまいます」と警告を出した。
小川市長は終盤、追加議案を説明する機会に「冒頭に、私に関する一連の報道によりまして、市民の皆様に多大なるご迷惑をおかけしておりますこと、深くお詫びを申し上げます。また、先程各会派からいただきましたご意見につきましては、真摯に受け止め、議員の皆様には改めて説明の機会をいただきたいと思います」と発言。
“真摯に受け止める”という、不祥事を追及される政治家が最近好むテッパンのフレーズを用いたのが印象的だ。