盆暮れの付け届けから臨時ボーナスまで、何かを受け取ったら恩返しをしたくなる?
日本には古くから盆暮れの付け届けという習慣があります。お世話になった人に感謝の気持ちを込めて贈答品を届ける。贈答品市場は近年減少傾向にありますが、それでも付け届けという習慣は廃れていません。
これはなぜかというと、人にモノを贈るという行為がそれなりに効力をもつことを日本人は知っているからです。贈答品に込められているのは、その節はお世話になりました、という感謝だけではないでしょう。同時に、これからも何かのときにはよろしく、という願いも込められています。
つまり、見返りを期待しており、それに対して相手は贈答品を受けたことの恩を返そうとします。このように見返りを期待して他人によくしようとすることを「互恵性」といいます。
業績のいい会社が社員に臨時ボーナスを出すと、さらに業績向上につながるという例もそのひとつ。臨時ボーナスというご褒美を受けた社員が、会社に感謝していっそう熱心に働くようになるからです。これも互恵性です。
また、「情けは人のためならず」ということわざがあります。他人に親切にすると、自分にもよい報いが返ってくる、という意味ですが、これも互恵性を表しているといえるでしょう。