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みんなに迷惑がかかるからミスは許されない

日本の文化を通じて作られる「分相応を良しとする意識」について、「過剰な集団意識」と「我慢の美徳化」という2つの特徴を紹介してきました。もうひとつ、3つめの特徴として、「リスク回避の最優先」があります。

日本では、子どもの頃の学校や習い事から、大人になってからの職場まで、さまざまな場面に共通して、「ミスしない」を重視する環境が多くあります。何か1つのことを特別に得意としているが苦手もある「一芸特化タイプ」よりも、まんべんなく苦手を作らずに何でもこなせる「そこそこ多芸タイプ」の方が、周囲から高評価を受けやすい傾向も強いでしょう。

表現を変えれば、打率は低いが「1発」のあるホームランバッターよりも、「1発」は打てなくても打率の高いアベレージヒッターの方が、学校でも、会社でも、認められやすく、褒められやすいのです。

ミスをしない人材が評価される日本社会。あえて学びたいユニクロの「一勝九敗」の経営哲学とは_1
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「10回やったら、9回は失敗するけど、1回は大成功する」人よりも、「10回やったら、失敗は2回だけで、8回はちゃんとそこそこの成功を収める」人の方が、会社内で大事なプロジェクトを任されたり、出世しやすかったりすることは容易に想像できるでしょう。