「ジュースの飲み過ぎで心臓止まった人も…」

「ペットボトル症候群」とは、糖分を多く含む清涼飲料水やスポーツドリンクなどを継続的に大量摂取することで、血糖値が急激に上がり、高血糖、脱水、ケトーシス/ケトアシドーシスを伴う急性代謝異常を指す。医療現場では「清涼飲料水ケトーシス」や「ソフトドリンクケトーシス」と呼ばれることが多い。重症化すると、血液が酸性に傾く糖尿病性ケトアシドーシスを起こし、意識障害や昏睡に至ることもある。

晴天の中のペットボトル飲料 (写真/PhotoAC)
晴天の中のペットボトル飲料 (写真/PhotoAC)
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背景にあるのは「のどが渇くから甘い飲み物を飲む」という悪循環だ。血糖値が高くなると、体は余分な糖を尿として排出しようとする。その結果、尿量が増え、脱水が進み、さらに強い口渇を感じる。そこで糖分の多い飲料を水代わりに飲むと、血糖値はさらに上がる。本人は熱中症対策のつもりでも、体内では高血糖と脱水が同時に進んでしまう場合がある。

作家で医師の知念実希人氏は自身のXにて糖尿病専門医とのやりとりの中で、「ペットボトル症候群」について、驚きのエピソードとともにその危険性について言及している。

「インスリンはカリウムを細胞内に送り込む作用もあるので、ペットボトル症候群でインスリンが枯渇すると、高血糖だけでなく、高カリウム血症も引き起こします。そして、高カリウム血症は心停止を引き起こすことがあります。ちなみに私はジュースの飲み過ぎで心臓止まった人、救急で診たことあります。

ちなみに、コーラの飲み過ぎでペットボトル症候群になって心停止した患者さんを必死に蘇生したら、その患者さんが意識を取り戻してすぐに、『喉乾いたんでコーラ買ってきてもらえませんか?』って言われました」

特に注意が必要なのは、糖尿病と診断されている人だけではない。糖尿病予備群や、まだ糖尿病に気づいていない人、肥満傾向のある人、ふだんから甘い飲料を習慣的に飲む人もリスクがある。若年層でも発症例は報告されており、「若いから大丈夫」とは言い切れない。

症状としては、異常なのどの渇き、多尿、強いだるさ、体重減少、吐き気、腹痛などがある。重くなると、呼吸が荒くなる、意識がぼんやりする、会話がかみ合わないといった危険なサインが出る。こうした症状がある場合は、単なる夏バテや熱中症と自己判断せず、早急に医療機関を受診する必要がある。