「なぜ奥多摩へ行ったのか、思いつくことはないです」
いっぽう20日夜に東京へ向かった谷本容疑者は、その夜も翌21日も勤務先の運送会社の寮に戻っていない。そして22日にJR奥多摩駅で下車したとの情報を得た警視庁は捜査員を送るが、身柄を確保したのは奥多摩駅から直線距離でも5キロ以上離れた国道の脇だったという。当時の様子を目撃者が語る。
「夕方4時すぎに帰ってきたらアルファードが道の真ん中に車線を塞ぐように斜めに停まっていたんですよ。家の外にいた家族には『大声を出していた男が警察に取り押さえられてる』と言われました。男が何を言っているかはわからず叫んでいる感じだったそうです。
見に行くと捜査員が5人いて、容疑者が腰を下ろし背中をフェンスに押し付けられていました。周りを刈り上げたマッシュヘアで、ところどころ毛先が茶髪でした。その時はもうぐったりした様子で捜査員も落ち着いていました」(近所の男性)
間もなく覆面パトカーが5、6台さらに到着し、捜査員は計10人ほどになったという。
「刑事さんに『なんの犯人ですか? 詐欺ですか?』と尋ねたら、『全国指名手配犯で詐欺よりももっと悪いことをした。テレビ見たらわかりますよ』と言われました。あと『関西から来た』とも言われましたよ」(同)
捕り物のさなかに家族が外にいたら人質に取られていたかもしれないと振り返ったこの男性は、容疑者のおかしな行動も証言した。
「周辺にお菓子が散らばっていました。食べながら歩いてきたのだと思います。それも警察が掃除してくれました。ここら辺はクマとか猿が出るような場所で、車は通りますが歩いている人はすごく少ないです。
容疑者は奥多摩駅から徒歩で来たと警察は話していましたが、1時間半以上かかる場所ですから相当な距離を歩いたんだと思いますよ」(男性)
谷本容疑者が勤めた運送会社の社長は、「うちの会社は(配送で)奥多摩はまったく行かない。なぜ奥多摩へ行ったのか、思いつくことはないです」と話す。
以前事件を起こした神戸で女性を刺し、職場に戻らず土地勘のない山村をさまよっていた谷本容疑者。自らの行動を説明することがあるのだろうか。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班