滞在したホテルが、3年前の事件現場からも近かった

追跡時間は50分以上にわたったとの報道もある。想像するだけで恐ろしいが、さらに不気味な事実が出てきた。

「谷本容疑者は17日から盆休みで、そのころ神戸に来たとみられますが、犯行現場のマンションのすぐ近くのホテルに泊まっていたんです」(在阪記者)

移送される谷本容疑者(写真/共同通信社)
移送される谷本容疑者(写真/共同通信社)

谷本容疑者は大阪出身で、2023年に運送会社に入社時に提出した履歴書には2006年に専修学校を中退し、飲食店勤務を経て2011年から2022年12月まで神戸市内の建築会社に勤めたと書いてある。

しかし同容疑者は2022年5月、面識もなくストーカーをしてつきまとった女性が住む神戸市中央区のマンションの部屋に押し入り、女性の首を絞めて軽傷を負わせた殺人未遂容疑で逮捕されている。建築会社勤務が同年12月まで続いたという記述は虚偽とみられる。

殺人未遂事件の約1年後に「昔ヤンチャしてて悪い仲間と関係を絶ちたいので東京に来た」と偽って運送会社に就職した谷本容疑者。“谷やん”と呼ばれそれなりに職場になじんでいた様子だが、休みを取って滞在したホテルが、3年前の事件現場からも近かったことは何を意味するのか。

女性をマンションで襲った前回のストーカー殺人未遂事件と似た犯行に注目する捜査本部は、谷本容疑者が滞在するホテル周辺でストーカー行為の新たな標的を捜し、目を付けた被害女性を会社まで追跡していた可能性も視野に入れているとみられる。

取材に応じる建設会社社長(撮影/集英社オンライン)
取材に応じる建設会社社長(撮影/集英社オンライン)