「トロバス物語の巻」(ジャンプ・コミックス第114巻収録)

今回は、7月21日からお届けしている「ガンコ電車の巻」(ジャンプ・コミックス第26巻収録)の都電と並び、かつて東京都民の足として活躍したトロバスが登場するお話をお届けする。

トロバスとは、都市部の交通手段として栄えた電気自動車で、正式名称はトロリーバスという。とはいっても、現在の二次電池式のEVバスとはいささか勝手が違い、道路上空に張られた架線から電力を得て、路面電車のような軌条(線路)なしに4つのタイヤで走行する。見た目はほとんどバスだが、法規的には特殊鉄道、すなわち線路のない電車に分類されている。

運営は都電と同じ東京都交通局だったが、現在でも荒川線が運行している都電とは異なり、1968年に全廃されている。

なお、立山黒部アルペンルートの室堂と大観峰を結んだ「立山トンネルトロリーバス」は、日本で唯一のトロリーバス路線として知られていたが、惜しくも昨年、運用を終了した。

日本では姿を消したトロリーバスだが、世界各地の都市部では現在でも現役で活躍中だ。

車輪ハブに内蔵されたインホイールモーターを持つ車両や、ディーゼル発電機とのハイブリッドタイプ、進化したバッテリーを搭載して架線のない区間でも長距離走行ができるタイプが存在する。また、線路と道路のどちらも走行できるデュアルモード車も開発されている。

それでは次のページから、バスそっくりの電車、トロリーバスが走っていた昭和の風景をお楽しみください!!