ボイスクレジット
この方式では、まず市民一人ひとりに投票用のボイスクレジットが毎年与えられる。予算はその年の投票に使っても良いし、将来使うために貯めておくこともできる。
ボイスクレジットを票に変換するには、予算を使って、残高の範囲内で買いたいだけ票を買う。票の数はクレジットの平方根にあたる。
たとえば環境問題に強い関心がある人は81クレジットで9票を買うことができるし、環境問題に少し興味があるが少子化問題の方により興味がある人は、16クレジットを使って環境問題に4票、64クレジットを使って少子化問題に8票、というふうに使い分けることができる。
もし投票のコストの増え方がもっと急で、たとえば投票数の4乗だったとしたら(2票投票するためには16クレジット、3票投票するためには81クレジット必要になる)、強い選好を持つ人の投票数が少なくなりすぎて、多数派の専制状態に戻ってしまう。
反対に投票のコストの増え方がもっとゆるやかだったら、強い選好を持つ人の発言力が大きくなりすぎる。QVは、多数派も少数派もどちらも不当に有利になることなく選好の度合いを示すことができるシステムなのだ。