パワハラ音声暴露された泉房穂氏も立候補、兵庫選挙区は波乱だらけ? 

参院選、兵庫選挙区は改選数3に対し13人が立候補した。7月3日の告示日は石破茂首相が第一声を上げるため神戸入りしたほか、4日には国民民主党の玉木雄一郎代表や参政党の神谷宗幣代表が姫路を訪れるなど、各党の乱打戦の主戦場となっている。

「前回の参院選では維新、公明、自民が議席をとりました。今回は有力政党がみな候補者を出したので当選ラインが下がり情勢は混とんとしています。

そのなかで明石市長を12年務めて、子ども子育て政策などが評価され、テレビに多く出ている泉氏は知名度で頭一つ抜けています」と地元記者は話す。

7月3日、神戸市で参院選の第一声の演説をする石破茂首相(撮影/集英社オンライン)
7月3日、神戸市で参院選の第一声の演説をする石破茂首相(撮影/集英社オンライン)
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ただ泉氏は民間の建物の立ち退き交渉を巡って、作業が遅いと腹を立て「火ィつけてこい。火つけて捕まってこい」などと市職員を怒鳴っているパワハラ全開の音声が暴露されたことがある。

泉氏はこれを背景に2022年に市議会で問責決議案が可決されると、任期を終えれば選挙に立候補せず政治家を引退する意向を表明していた。

「しかし昨年、斎藤知事が県議会の不信任決議を受け失職し、出直し選に出た過程で、当初対立候補として泉氏の名が取りざたされたり、不信任決議案提出をあおるSNS投稿をしたりして、政局にかなり手を突っ込んでいた印象です。

その後、ことし3月に参院選に出ると宣言すると、すぐに立憲民主党の推薦を取り付けたんです」(県議会関係者)

7月3日、JR姫路駅前で街頭演説する泉房穂氏(撮影/集英社オンライン)
7月3日、JR姫路駅前で街頭演説する泉房穂氏(撮影/集英社オンライン)

一方、立花孝志氏は昨年11月の兵庫県知事選に「当選するつもりはない。斎藤知事を応援する」と言って出馬。後に県議会の調査特別委員会(百条委)や県の第三者委員会が認めた斎藤知事のパワハラ疑惑などは「全部うそで、斎藤さんはハメられた」と演説で主張した。

「立花氏は選挙で、斎藤知事の演説直後に同じ場所で演説を行なうことを繰り返し、疑惑を提起した元県幹部や、百条委で疑惑を調べた県議らを批判しました。その動画がSNSで拡散し、これが当初劣勢だった斎藤知事が再選された大きな力になったとみられています。

しかし当選を目的とせずに立候補し、選挙運動の名を借りて他の候補者を応援する“2馬力”と呼ばれる手法は、選挙の公正性を揺るがすと大きな問題になりました」(社会部記者)

7月3日、参院選の第一声で「NHKをぶっこわーす」とキメる立花孝志氏(撮影/集英社オンライン)
7月3日、参院選の第一声で「NHKをぶっこわーす」とキメる立花孝志氏(撮影/集英社オンライン)

その立花氏、今回の選挙では本気で当選を目指しているのか?

「立花氏は今回の選挙では当選を目指しているようです。そのために『自分が一番斎藤知事のことを応援しており、既成政党は知事を敵視している』との構図を訴えています」と地元記者は話す。

実際、立花氏は3日の第一声で、

「今回の兵庫県のこの選挙、これは斎藤さんを守る(選挙だ)。それこそ私以外の人、みんな斎藤さんの足引っ張ってんだ、自民党も立憲民主党も公明党も国民民主党も」

と強調した。斎藤知事は出直し知事選で111万票を獲得しており、この斎藤支持票を引き寄せようと考えている気配だ。

7月3日、参院選兵庫県選挙区の候補者ポスター掲示板と立花孝志氏(撮影/集英社オンライン)
7月3日、参院選兵庫県選挙区の候補者ポスター掲示板と立花孝志氏(撮影/集英社オンライン)