日枝氏にだけ退職金が……

一連の問題が昨年末に始まって以来、初めて迎えた株主総会は重々しい雰囲気に包まれた。

「会場の東京・有明アリーナの入り口には金属探知機が置かれ、カバンも開けて中身を点検されました。1万5000人収容の会場には株主が3000人は来ていたようです」(出席した株主)

総会は冒頭、金光修FMH社長が「フジテレビジョンにおける一連の事案により、皆様にご迷惑とご心配をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます」と謝罪して始まった。

「フジテレビは中居氏の問題を受けた経営陣交代で新社長になった清水賢治氏(FMH専務取締役兼任)が前任者の前社長らを訴える方針を示すなど刷新を図っています。この中で長年フジの“天皇”として経営を仕切って来たとされるFMH取締役相談役の日枝久氏が問題発覚以来、一度も記者会見で説明することなく25日付で退任し、しかも退職金が支給されることには厳しい目が注がれています」

25日に行なわれた株主総会(撮影/集英社オンライン)
25日に行なわれた株主総会(撮影/集英社オンライン)
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そう話す大手紙経済部デスクが続ける。

「株主総会の焦点はこの日枝氏の処遇をどうするのかと、“モノ言う株主”の代表格である大株主、米ダルトン・インベストメンツ側が、北尾吉孝SBIホールディングス会長兼社長ら12人を社外取締役として選任するよう求めた提案がどうなるか、でした。ダルトンはFMHに、不動産事業の切り離しなどが会社の課題だと指摘し、これを改善するためだとして北尾氏らを社外取締役にするよう求める株主提案書を公表していました」(経済部デスク)