第1~5号議案には“賛”のマークにチェックを

もう一つの焦点だった取締役の選任も、社長に就任する清水氏ら11人の選任案を可決。ダルトンが求めた北尾氏ら12人の社外取締役選任案は否決された。

「議案は全部で6つあり、第1から第5までは会社提案の取締役選任案などで、すべて可決されました。そして最後にダルトン提案の第6号議案が否決されました」(経済部デスク)

フジ側は経営権の完全な掌握の維持に成功した形だが、この議決に絡んで株主の一人は「首をかしげることもありました」と話す。

「今回の株主総会は、約2週間前に株主に招集通知が送られ『議決権行使書』が同封されていました。第1~6号の議案ごとに賛否の意思を示すもので、郵便での返送かネットで議決権を行使するものです。

株主に送られてきたはがき
株主に送られてきたはがき
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ところがその2、3日後に『議決権行使のお願い』と題したはがきも株主に送られてきたんです。それは文字通り議決権行使を促しながら、『会社提案・取締役会の意見にご賛同いただける場合』として、第1~5号議案には“賛”のマークにチェックを、第6号議案には“否”のマークにチェックを、それぞれつけた“記入例”が記されていました。会社の方針に誘導する書き方に、ズルいんじゃないの、というような声も出ていましたね」(株主)

紆余曲折を経た株主総会は約4時間半かかって終了。当面の懸案をフジ側は乗り越えたようにも見えるが、かつてのスポンサーの多くはフジが信頼を取り戻せるのか、依然厳しい視線を送っている。                                 

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班