「堀江さんが質問者に当てられると『わー』っと拍手が起きて…」

提案説明などに続き、質疑に入ると一斉に手が上がった。

「最初に当てられた金ぴかのスーツの男性が『私は約30年間、フジテレビの株主です』と話し始め、司会者が『お名前は?』とたずねると男性は『名前はドクター中松』と応じたんです。ここで会場がどよめきました」(株主)

会場の東京・有明アリーナ(撮影/集英社オンライン)
会場の東京・有明アリーナ(撮影/集英社オンライン)

総会には2005年にフジテレビの大株主だったニッポン放送に買収を仕掛けた実業家のホリエモンこと堀江貴文氏も出席して質問に立った。

堀江氏は会場を後にする際、報道陣に「(フジテレビが)認定持ち株会社であり続けるのか」と質問したと説明し「色んな選択肢を検討する、みたいなことは(FMH側は)言ってましたね」などと話した。

「堀江さんが質問者に当てられると『わー』っと拍手が起きて、会社側の人が『写真を撮らないでください』と呼びかけてました。今日はホリエモンの話を聞きたくて来た人もいたんじゃないかな。彼の質問が終わるや否や、結構な人が帰り始めましたからね」(出席した株主)

いっぽう、焦点だった日枝氏の処遇に関しては事実上の“特別扱い”がとられる方針に変わりはなかった。

「今回取締役は清水氏を除く全員が退任するが、退職慰労金制度は廃止している、との説明がありました。しかしこの退職慰労金を支払う対象が1名のみあり『それは日枝です』との発言が会社側からあり、その瞬間『あー』みたいな感じで失笑が起きていました。

会社の主張は、日枝氏への退職金支払いは2008年以前に決まっており、これを排除する法的根拠はない、というものでした。さらに退職金額も『開示していない』というような説明でした」(株主)