「法に殺される思い」長男を連れ去られて2回自殺未遂を図った作家
シンポジウムに登壇した岩崎氏は、子どもを連れ去られた当事者だ。
一度目の結婚をしていた1997年、ある日突然妻が0歳児の長男を連れて家を出て、その後調停に。
「当時は親権についての知識がありませんでした。アメリカの映画で観ていたように、週末にお互いの家を行き来して子どもに会えると思っていましたが、調べてみると全く様子が違う。調停で印象的だったのは、調停員は妻の話も僕の話も、ハイハイと聞きながらまるで馬耳東風。既定路線通りの書面を作り、裁判もすぐに終わりました。ベルトコンベヤーに乗せられて行った先に地獄がありました」(岩崎氏)
親権は母親、面会は月に1回3時間――。
裁判所が提示した雛形通りの結果となった。しかし、いざ子どもと面会交流が始まると、次の面会までの辛さは想像を上回った。希死念慮にとらわれ、二度自殺を図った。
「法に殺されるという思いをしました」(岩崎氏)と悲痛な胸のうちを語った。
長男が小学校に上がった頃から元妻の意向で面会交流もできなくなり以後20年以上、音信不通だという。