編集者が送った1通のメール

本書の企画がスタートしたきっかけは、集英社の女性誌『MORE』で10年にわたり二宮氏の連載「It[一途]」を担当してきた編集者が、独立したばかりの二宮氏のホームページの問い合わせフォームにメールを送ったことだった。

「生きているうちに、二宮さんの言葉を一冊にまとめたいのです」

二宮和也氏 撮影/Sai
二宮和也氏 撮影/Sai

ステージⅣのがんが見つかった編集者は、連載担当中に幾度も耳にした”ニノ流哲学”の言葉を思い返し、治療中に励まされてきたという。だからこそ「一冊の本にし、お守りとして持っていたい」と切望した。

二宮氏も事務所の独立という大きな転機を迎え、第二の人生を歩み始めたばかりだった。「40代になり、そろそろ大人になろう、責任を持とう、というきっかけをいただいた」と編集者の思いを受け取り、プロジェクトは始動した。