脂肪肝にとって減量は最高のクスリ

では、50代の男女はどのようなことを心がければいいのか。

まず、もう若い頃と同じ食事ではダメなんだということをしっかり肝に据えて、意識的に糖質摂取を控えるべきです。

たとえば、「甘い飲み物はいいかげん卒業する」とか「丼ものやラーメンは『たまに』程度にする」とか、「おにぎりだけ、菓子パンだけ、そうめんだけといった糖質オンリー食はやめる」とか、「居間のテーブルにおせんべいやミカンを置かないようにする」とか、「間食がほしいときは高カカオチョコを食べる」とか……こうしたポイントを押さえておけば、そんなに我慢せずとも糖質摂取量を減らすことができるはずです。

間食をするなら高カカオチョコ。写真はイメージです(写真/Shutterstock)
間食をするなら高カカオチョコ。写真はイメージです(写真/Shutterstock)

それと、50代こそダイエットに力を入れるべきでしょう。

60代後半や70代以降になるとダイエットで食事量を減らすと筋肉量が減ってサルコペニアやフレイルの危険が増してしまうため、ダイエットはおすすめできなくなります。だから、ちゃんとダイエットをするなら「50代が最後のチャンス」と思っておくべきです。

要するに「やせるならいまのうち」だということ。50代のうちに減量をして余計な脂肪を落としておくことをおすすめします。

脂肪肝にとって減量は最高のクスリのようなもの。肝機能が回復して脂肪肝が治るのはもちろん、血糖値や血圧も下がって糖尿病もよくなっていくはずです。

また、食生活面だけでなく、50代のうちに筋トレやウォーキングも習慣づけて、これ以上筋肉量を低下させないように心がけていく姿勢も大切です。

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
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それと、50代には歯周病を進ませてしまう人が多いので、この先高齢になってから苦労しないためにも、歯のケアや治療も怠りなく行なう必要があります。

とにかく、50代という「ターニングポイント」において、食事や運動などの生活習慣をちゃんと改善できるかどうか、肝臓や体重などの体のコンディションをしっかりリセットしておけるかどうか。それができるかどうかで60代、70代、80代になってからの病気罹患リスクに大きな差がつくと思ってください。

そういう点では、50代のこの時期が、人生の後半戦を健やかに過ごせるかどうかの大きな分かれ目になると言っていいかもしれませんね。

文/栗原 毅 サムネイル/Shutterstock

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