長く当たり続けることで上がる怖すぎるリスク

ただし、死因とのつながりを医学的に証明できないからといって、扇風機の風に直接、長く当たり続けることはおすすめしません。

死ぬことはないでしょうが、扇風機使用の弊害と考えられる疾患がないわけではありません。

たとえば「顔面神経麻痺」。

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
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これは、顔の筋肉を動かす作用を司る顔面神経が麻痺して、顔の動きが悪くなる疾患です。顔面神経麻痺の原因には、ウイルスや糖尿病などさまざまなものがあるのですが、発症要因の一つに「扇風機の風に当たること」があります。

もともとその病気にかかりやすい素質を持っていた人が、扇風機の風を顔に当て続けたことで発症したという例は多いのです。

「過ぎたるは及ばざるがごとし」といいますが、何事もやりすぎはよくありません。

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
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医学的に死因との因果関係が証明されていないからといって、扇風機の風が当たり続ける状態で寝落ちしてしまうようなことがないように、日頃から気をつけておきましょう。

※このような危険を避けるには……
・扇風機の風を長時間、身体に当て続けない。
・身体が濡れた状態で扇風機を使用しない。
・特に、顔には直接風を当て続けない。

文/高木徹也

『こんなことで、死にたくなかった 法医学者だけが知っている高齢者の「意外な死因」』(三笠書房)
高木 徹也
『こんなことで、死にたくなかった 法医学者だけが知っている高齢者の「意外な死因」』(三笠書房)
2025/3/27
1,760円(税込)
248ページ
ISBN: 978-4837940319

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