恋愛は頑張らないといけないから、面倒くさい
性の目覚めは中学二年生の頃だった。
両親が買い与えてくれたパソコンでまとめサイトや面白い記事などを探して読んでいく中で、性の体験談やエッチなイラストが載っているサイトにたどり着いた。
「幼馴染とエッチしちゃったっていう話とか、初恋の相手との初体験とか、あとは3Pしちゃったとか、匿名での告白をまとめたサイトです」
その中でも、痴漢や凌辱といった、いわゆる女性が無理やりにされる系統の体験談に興奮を覚えた。姉が買ってきてくれる18禁のボーイズラブの同人誌も、好んでよく読んでいた。
男性にも性的なことにも、それなりに興味があったが、高校は女子高への進学を希望した。初恋の男子生徒につけられた傷はまだ癒えていなかったし、思春期を迎えたクラスメイトたちの変化に、違和感を覚えていたからだった。
「男の人って、綺麗な女の子、あまり器量のよくない女の子を階層的に見るところがある。そういうふうなのが嫌だなって思っていて。女の子も女の子で、力仕事は男がやるものとか、『男子がこれをやりなさい』っていう役割分担を勝手に作りますよね。
子どもの頃は男の子も女の子も変わらない感じだったのに、成長するに従って周囲の皆のそういう考え方がだんだんと顕著になってきてる気がしてたんです」
性的役割分業に違和感を覚えたのは、母親の影響もあった。
「母も『男だからこれをしろ』『女はこれをしちゃいけない』っていうのが好きじゃないタイプなんです。だから女の人も働かないといけないって言われて育てられてきたし、母自身も働いていました」
残念ながら第一希望の女子校は落ちたものの、滑り止めだった共学の高校の女子クラスへと進学。
共学クラスの男子生徒たちとは、部活で一緒になる機会があるものの、あまり話をすることもなく、恋愛とは無縁のまま高校を卒業して、大学に進学した。
「大学も、女子大が第一志望だったんですけど、またも滑ってしまって、共学の大学に入ることになりました。まぁ、でもそこはどっちでもいいなって思っていたんです。
女子だけの場所にずっといて、これから先もそうだと、考え方が固まっちゃうかなって気もして。現実社会でどうしても男の人と接しないといけないわけで、大学は共学にしないと、世間一般の感覚からずれちゃいそうだしっていうので、とくに不満はなかったです」
サークルには入らず、学業とアルバイトに精を出す中で、引き続き恋愛をする機会はなかった。したいと思わなかったのだろうか。
尋ねたところ、里英は「うーん、恋愛をしたいか……」と自分に問いかけるように言葉を漏らした後に続けた。
「結構、頑張らないといけないから、面倒くさい感じですよね」
それ以上は、あまり触れて欲しくなさそうな雰囲気だった。













