詐欺問題、ダイバーシティの進展 

「パリコレ」といえば、話題になっているのが「パリコレ詐欺」だ。

苦労を重ねた人物が千載一遇の機会を手に入れ、モデルとして「パリコレ」のランウェイを歩いた――。また、モデルを務めた人やスタッフ、出展した新興ブランドなどが「パリコレに出た」ということを肩書にするケース。

こういった話題の際に登場する「パリコレ」は、非公式のトレードショーがほとんど。それを揶揄して「パリコレ詐欺」と呼ばれている。

「モデル自身やブランド側も非公式であることを認識しており、参加費に納得している場合はまだいいかもしれません。

悪質なのは、仲介者が『パリコレ』と誤って伝え、参加を募っているケース。仲介者自体も『パリコレ』に対する理解が不足しているため、このようなことが起きてしまうのだと思います」

林田季子(カンボジアのショーにて) (本人提供)
林田季子(カンボジアのショーにて) (本人提供)

とはいえ、「公式コレクションの動向も世界的に変わりつつある」とも話す。

「近年、アジア圏の富裕層の影響力が大きくなってきたこともあり、インドネシアやカンボジアなどアジアで行われる公式コレクションも注目度が高まっています。それに伴い、デザイナーたちが作るドレスも、アジア圏の人の体型や好みに寄せているものが増えている。そういった経緯からアジア人のモデルも雇用され始めています。

また、これまではなかった、ドレスのその場での買い付けを認められる公式コレクションも登場しています」