「ユニクロとGU、どっちがおすすめですか?」

「ユニクロとGU、どっちがおすすめですか?」

度々こんな質問をいただきます。

同じファーストリテイリンググループに属し兄弟関係であるユニクロとGUですが、実は「どっちがおすすめ」と簡単には言えないほど両者にはコンセプトレベルで違いがあるのです。

まず数字を用いて事実ベースで解説を進めましょう。

ユニクロの店舗数は現在全世界2513店舗、対するGUは478舗(2025年4月末時点)です。当たり前ですが、モノ作りにおいては生産数が単価に響きます。

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同じTシャツを作るにしても10枚作るのと1000枚作るのとでは単価が違ってきます。店舗数に5倍もの差がある両者ですから、当然のことながらコスパがいいのはユニクロといえるでしょう。

ここでいうコスパとは「素材のよさ」です。

ユニクロはエアリズムなら全世界1億枚以上の販売実績があるため、他ブランドと比べると単価が極めて安い。

カシミアやセルビッジデニムなどの上質素材でも、他ブランドでは実現できないほど圧倒的に単価を下げられるのは膨大な店舗数があるからです。

反面、ユニクロは2500店舗あまりの顧客全てを満足させなければいけないため、結果シンプルなデザインに偏りがちです。

デザイン性が高いほど購買層が限定されます。プリントがひとつ増えるごとに好き嫌いが出てくるでしょう、シャツのポケットが増えるほどに苦手な人が出てくるはずです。

世界中の顧客を等しく喜ばせるためにはシンプルなデザインにするしかありません。しかして「特別な素材」こそが彼らの強みであり、「シンプルなデザイン」こそが彼らの弱みとなるわけです。