駅前にエロなビデオ屋がたくさんあった
1980年代前半頃からはビデオデッキが普及し始め、どこの駅前でも雨後のタケノコのようにレンタルビデオ店がオープンしていた。その頃のレンタル料金は1泊2日で定価の1割(1000円~1500円くらい)が基本だったため、店はどこもボロ儲け状態であった。
ごく普通のレンタルビデオ店でも、奥にはカーテンがかかっていて、その向こうがアダルトコーナーになっていたりした。また、そちらの売り上げの方が中心になっているような店も多かったためか、店側もそれを意識して若い女性店員などはあまり採用しない傾向があった。
当時は、まだバーコードがさほど普及していなかったため、貸し出し記録はたいてい店員がコクヨのノートに手書きで行っていた。その頃アダルト系ビデオを借りた人の中には、目の前で、「貸出日○月○日返却予定日〇月○日会員ナンバー:○○○○お名前:○野○男タイトル:『○○しちゃっていいのよ』などと書かれて、死ぬほど情けない思いをした」との思い出を語っている者が少なくない。
80年代後半になると、デッキもビデオソフトも極端に値下がりし、ビデオショップはさらに大賑わいとなった。当時はダビングのサービスを行っている店も多く、また海賊版も普通に貸し出されたりしていた。
得意客にはこっそり裏ビデオを貸し出す店も多く、警察のガサ入れを受けて閉店に追い込まれたりすることもよくあったが、またすぐに別の店名になって近くでオープンしたりするため、ほぼイタチごっこ状態であった。