3時限目の途中、全校避難訓練だったはずが…

現場となった小学校はJR南武線西国立駅の西約400メートルの住宅街に位置し、戦前の1937年に東京府北多摩郡立川第二尋常小学校として開校した歴史と伝統のある小学校。授業中を突如襲った蛮行に校内は騒然とし、取材の報道ヘリコプターが上空を何機も旋回するなど物々しい雰囲気に包まれた。 

立川市立第三小学校(撮影/集英社オンライン)
立川市立第三小学校(撮影/集英社オンライン)
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事件を受けて立川市教育委員会(飯田芳男教育長)は記者会見し、状況説明の文書を配布した。それによると同日午前9時15分ごろから児童間のトラブルについて、「保護者と思しき人物」が担任と面談をし、いったん学校を離れた後に男2人を引き連れて舞い戻ってきたという。

男2人は2年1組の教室に侵入したが、児童を避難させた担任教諭に同僚と校長の計4人が加わって誘導し、職員室の隣の会議室で取り押さえ、警察官に引き渡した。

集英社オンラインは学校近くで保護者立ち合いのもと、児童たちから貴重な証言を得た。6年生の男児は恐怖の時間をこう振り返った。

「今日の3時限目の途中がちょうど全校避難訓練だったんですが、1年生の担任の先生が6年生の教室まで『11時前後に不審者が来ました』と報告しにきました。最初はこれが訓練なのかなと思って、教室のドアの鍵をかけて教室内で待機していたら『パリン』というガラスの割れる音が聞こえました。

11時25分に校内放送でも不審者が来たという連絡があり、訓練じゃないんだとわかりました。周りのみんなは『死んじゃうのかな』とか混乱して話していて、怖かったです。11時45分ごろに『児童にケガはない』との放送があり、全校引き渡しで帰ることになりました」(6年生・男児)

立川市教育委員会の会見(撮影/集英社オンライン)
立川市教育委員会の会見(撮影/集英社オンライン)