いま必ずやるべき対策は?

日本証券業協会は不正アクセス対策として、以下の2つの対策を推奨している。

1、利用されている証券会社において、多要素認証(ワンタイムパスワード等、2要素以上を組み合わせる認証)が提供されている場合には、多要素認証の設定を必ず行ってください。万が一、ログインID、パスワードを窃取されても、単要素認証と比べ被害を防止できる可能性が高まります。

2、証券会社のウェブサイトには、公式のウェブサイトをあらかじめブックマークし、アクセスしてください。メールやSMS(ショートメッセージ)などに表示されているリンクを使わないでください。

日本証券業協会HPのトップでも大きく注意喚起されている(公式HPより)
日本証券業協会HPのトップでも大きく注意喚起されている(公式HPより)
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また、その他にもすぐできる対策として、都内在住の個人投資家はこう話す。

「ログイン通知メールが設定できる場合はやっておいたほうがいいです。ログインした時にメールで知らせてくれるサービスですが、自分でログインしていないのにこのメールが来れば第三者に不正ログインされているということですから。不正取引を事前に止めることができなくても、被害にすぐ気づくことはできます。

また必要がないのなら、外国株の取引を制限するのも良いかもしれません。日本株でやられる可能性はありますが、今まではおもに外国株での不正取引が報じられていますので」(投資家の男性)

乗っ取り被害については、大手証券会社10社は被害額の補償をする方針だという。

ネット上の怪しい情報や詐欺師の罠に惑わされず、必要な対策を行なうことが重要だ。

 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班