トラブル続出のドイツ生活。ベルリンのホテルでは詐欺被害にも

——伊東さんはドイツに移住して約3年半とのことですが、そもそもなぜドイツを選んだのでしょうか?

「最初は、美術史が深く根付いているヨーロッパで暮らしたい」という思いがありました。

それまでドイツを訪れたことすらなかったのですが、「行ったことのない国に行きたい」という直感だけで選んだんです。

ドイツに移住して初めての雪景色を報告する伊東さん(本人Instaramより)
ドイツに移住して初めての雪景色を報告する伊東さん(本人Instaramより)

——ドイツに移住して、何か苦労したことはありましたか?

ドイツには友だちもいなければ、ドイツ語もまったく話せない状態で、どうやって生計を立てればいいのかすらわからないまま、「なんとかなるだろう」と思って移住したんです。

実際に暮らしてみると、やはり言葉や文化の壁にぶつかって、絶望することもありました。

今ではドイツ語も多少は理解できるようになりましたが、慣れるまでの最初の1〜2年は本当に大変でした。トラブルも多く経験しましたし、孤独を感じてホームシックになることもありましたね。

ドイツへ移住したばかりの頃は、多くのトラブルに見舞われたという(写真/集英社オンライン)
ドイツへ移住したばかりの頃は、多くのトラブルに見舞われたという(写真/集英社オンライン)

 ——具体的にどのようなトラブルがあったのでしょうか?

たとえば、銀行口座を開設するのに苦労したり、ベルリンのホテルで身に覚えのないミニバー代を請求される詐欺に遭ったり…。自宅のアパートでも、雨漏りがあったり、Wi-Fiが頻繁に使えなくなったりと、トラブル続きでした。

でも、どんなにつらくても、家族や親友には弱音を吐きたくなかったんです。

自分の中で「3年は帰らない」と決めていたので、心配されて「帰っておいでよ」と言われるのが嫌で。だから、毎晩ひとりで泣いていた時期もありました。