魚と野菜は「否定するエビデンスがほぼない」最強の食材

たいていの食材には、良い面も悪い面もあります。だから健康を守るためには、限られたものばかりではなく、多くの食材をバランスよく食べることが望まれます。

そうしたなかで、否定するエビデンスがほとんどない食材が野菜と魚です。

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
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日本は、諸外国と比較して魚の摂取量が非常に多い国です。欧米では、週に1回とるくらいでも「魚をよく食べている」と認識されます。そして、週に1回でも魚を食べると健康にいい効果をもたらすというエビデンスも得られています。

日本人の多くは、もっと頻繁に魚を食べていると思われますが、その習慣をこれからも大事にしていきましょう。健康寿命を伸ばすことを考えると、魚については、どの研究結果を見ても「食べるべきだ」に行き着くのです。

たとえば、週に3回青魚を食べると、中性脂肪値に十分な改善効果が見込めることがわかっています。いくつかの研究で週1回ほどで下がることも報告されています。

また、JPHCスタディで、魚介類に多く含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸の摂取と認知症の関係を調べた研究があります。

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
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その結果、魚介類の摂取量が多いほど、リスクの低下が見られました。魚介類を最も食べているグループは、最も少ないグループよりも、61パーセント認知症の発症リスクが低くなることがわかりました。

このときの、最も食べているグループの中央値は、1日に82グラムです。サケ、ブリなどの切り身がだいたい80グラム前後。ということは、私たちも1日に魚1切れを食べれば十分ということになります。