「なんなら洗髪自体キャンセルするときも」
近年、SNSを中心によく見かける「○○界隈」という言葉。2024年の「新語・流行語大賞」にもノミネートされた。あるマーケティングライターは言う。
「2018年頃から、自撮りを行ない、それをSNSにアップする若者たちが“自撮り界隈”などと自称したことから、共通の関心や価値観を持つ人々のコミュニティを指す言葉として“界隈”というワードが見られるようになりました。
最近では、ファッションや美容業界のマーケティング用語として用いられることが多く、最近では、とある美容家電ブランドメーカーが『#ドライヤーキャンセル界隈』とハッシュタグをつけて、Xでプレゼントキャンペーンを打ち出したこともあります」
その発信が拡散され、Xではトレンドワードにまで上がった。
ドライヤーキャンセル界隈とは、まさに髪を洗った後ドライヤーで乾かさない人々のことを指すが、彼女たちはなぜドライヤーをキャンセルしてしまうのか。街ゆく人たちに聞いてみた。
家ではストロング系の酎ハイを、外では立ち飲みなどの「せんべろ」をよく利用するという30代女性は言う。
「夜、酔っ払って帰ってきたり、家で晩酌したりした後、お風呂にはなんとか気合で入るんです。
でも、髪を乾かすのがどうしても無理! 朝起きたら寝ぐせがすごいことになっているので、朝に髪を洗うんですが、やっぱりドライヤーキャンセルして濡れたまま出社しちゃいます」
2人の子どもを持つ専業主婦の40代女性は、子どもの髪を乾かしている間に自分の髪は乾いてしまうため、基本的には「自然乾燥」のようだ。
「お風呂上がりは、すぐに自分の頭に吸水タオルを巻き、子どもら2人のドライヤーをかけます。自分は優雅にドライヤーなんてかけてられない。子どもを産む前まではロングでしたけど、すぐ乾くようにボブヘアにしました」
「なんなら“洗髪自体”キャンセルするときもある」と豪語するのは40代の独身女性だ。
「ドライヤーをキャンセルするのはもちろん、人に会わないときは1週間くらい髪を洗わないです。ただし、会う前日には洗いますよ!」