朝ドラのお約束をいくつも盛り込んだ手堅い作り

『あんぱん』は、国民的キャラクター“アンパンマン”を生み出したやなせたかしと、その妻・小松暢(こまつ・のぶ)の夫婦をモデルにしたオリジナルストーリー。第1週目では、ヒロイン・朝田のぶと、その夫となる柳井嵩(やない・たかし)の出会いが描かれた。

東京から高知県・御免与町にやってきた内気な転校生の嵩が、活発で元気あふれるのぶと出会い、最悪の初対面から徐々に仲を深めていく。

連続テレビ小説『あんぱん』第5回より(C)NHK
連続テレビ小説『あんぱん』第5回より(C)NHK

初回の視聴率は、前作『おむすび』の最終回12.5%より大幅に上昇して15.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)。さらに第4回は初回の15.4%を上回る15.5%を記録した。

「NHKの朝ドラは初回の視聴率が高い傾向にあり、『おむすび』は最高視聴率が第1回の16.8%で、それ以降はずっと右肩下がりでした。対して『あんぱん』は、すでに初回超えを達成。こうした数字の面からも、好評であることがわかります」(テレビ局関係者)

好評の理由のひとつはなんといってもストーリーだ。名作家・やなせたかし夫婦の生涯を描くという大きなアドバンテージはあるものの、脚本のよさが際立っている。そして中身を紐解くと、実は“朝ドラあるある”のオンパレードであるとも……。

「活発なヒロインが走るシーンから始まり、いじめられる転校生、それをかばったがゆえに相手をケガさせて相手の親から怒られるという展開、極めつけは父親の早逝。一週目から、“朝ドラあるある”をこれでもかというほどに詰め込んだ内容です。父親の早死になんて、何度朝ドラで見たことでしょうか。

また、ヒロインとお相手の出会いのシーンもベタベタでしたね。走るヒロインに男の子がぶつかり、ヒロインが逆ギレ。その男が、実は転校生だった……という、もはやギャグのようなお決まりすぎるシーンもありました」

こうした“ベタ”と“あるある”が詰め込まれていることはSNSでも多く指摘されている。

〈朝ドラあるある よいお父ちゃんほど 早死に〉

〈朝ドラあるある「女の子が男の子を守る」がこのドラマでも〉

〈朝ドラのお約束をいくつも盛り込んだ手堅い作りで安心して見ていられる〉

〈あんぱんは今のところベタオブベタなので、ツッコミ入れながら気楽に見ている〉

こうしたベタ展開が、なぜここまで視聴者にウケているのだろうか。