「江藤は急に県連会長をやりたいと申し出てきたんやわ」

「宮崎県連はいま、てんやわんやですよ。びっくりってか、痛いですよね。参院選含めて、非常に向かい風です。逆風が強まったなということ。今後、どうしようかって感じです」

匿名を条件に取材に応じた自民党会派の宮崎県議はいま、不安を募らせている。

江藤拓氏は18日、佐賀県で開かれた自民党佐賀県連の政治資金パーティーで「私はコメを買ったことがない」と発言。「支援者の方々がたくさんコメを下さるので。売るほどある、家の食品庫には」と続けた。

コメ価格の高止まりが続くなか、江藤氏の発言に「対策を担当する農水相としての自覚がない」などの批判が相次いだ。その後、江藤氏は21日に辞表を提出し、石破首相は同日に受理した。

「コメは売るほどある」と発言した江藤氏(農水省YouTubeチャンネルより)
「コメは売るほどある」と発言した江藤氏(農水省YouTubeチャンネルより)

前出の宮崎県議が、自民党宮崎県連の現場の様子を打ち明ける。

「江藤さんは農水相を辞める一方で、これまで務めていた県連会長も辞めることになります。今週土曜日の24日には、年に一度の県連大会があり、そこで引き続き今の体制で頑張っていこうと士気を高める予定だったんです。今、トップが代わるとなるとね...。

支援者の皆様に示しがつかないし、24日までにどういった体制で県連を今後運営していくのかを決めなければならない。ちょっとしんどいなというか。今後どうなるのかなっていう不安を抱えつつ、バタバタしています」

あるベテランの宮崎県議は「あれほど国会議員に県連会長をやらせるなと言ったのに」と怒りをあらわにする。

「江藤が去年の1月頃、急に『県連会長をやりたい』と申し出てきたんやわ。反対派ももちろんいて、党内で選挙になったけどもな。江藤の勝利で終わった。党員投票では衆院議員には絶対負ける。持っている票数が違うから。

もともとな、県連会長は県議の人らで選出しようとなっていた。国会議員にやらせると、県連の役員会を国会議員の予定に合わせたりするから振り回されてしまう。また、前に県連会長のポストを求めて、国会議員同士で争いが起きて、面倒くさいことになった。県議にこれからはしていこうなと決めていたのに、結局この有り様だよ」

コメ農家にもコメ泥棒が入るほど不足しているのだが…(撮影/集英社オンライン)
コメ農家にもコメ泥棒が入るほど不足しているのだが…(撮影/集英社オンライン)