初登板で見せた全盛期並みの“ギアチェンジ”
具体的に田中の復活への手応えを感じられた場面として、5回1失点で勝ち投手となった4月3日の試合を振り返りたい。
初登板の緊張もあったのか、初回は非常に苦しい立ち上がりとなり、投球内容も変化球主体で空振りをなかなか奪うことができなかった。これはやはり球威の低下により、ストレートで勝負ができないと判断してのことだろう。しかし、要所では持ち前の経験と技術を活かして粘投。
特に5回は1死2、3塁の場面で上林誠知への2球目で、この日最速の149キロをマーク。全盛期のようなギアチェンジを見せてくれた。結局、上林に四球を与えて満塁のピンチを背負うも、続く打者を併殺でなんとか凌ぎきった。
だが、球速やキレにはやはり物足りなさを感じ、年齢による衰えは明白だ。登板した球場がバンテリンドームという投手有利な広い球場であることも、一発のリスクが減るという追い風となった。
今後、より安定した投球をするには短いイニングでもいいので「球威・球速」の底上げがポイントとなりそうだ。それができれば、巨人のリーグ連覇、2012年以来13年ぶりの日本一への1ピースになってくれるはずだ。
ベテランらしい味のあるピッチングと、全盛期のような短期的な最大出力を期待したい。
文/ゴジキ