田中に求められる今シーズンの役割

そんな田中に求められる今シーズンの役割は、昨年の菅野智之のように、これまでの豊富な経験と実績で若手投手のお手本になりながら、ローテーションの柱になることだ。

2023年に4勝に終わった菅野は、球威の回復とフォークボールを有効に使いながら試合を支配する投球スタイルに変更したことで、昨年は最多勝と3度目のシーズンMVPに輝くなど見事な復活を果たした。

2024年は15勝3敗で見事復活を果たした菅野智之(『菅野智之のピッチングバイブル』ベースボール・マガジン社)
2024年は15勝3敗で見事復活を果たした菅野智之(『菅野智之のピッチングバイブル』ベースボール・マガジン社)

一方で、田中は昨年までのピッチングを見る限り、球威が飛躍的に戻るとは考えづらい。しかし、前述のとおり田中には高度な投球技術があり、しかもその田中の後ろを守るのは球界トップクラスのディフェンス力を誇る巨人内野陣だ。

これがアドバンテージになり、5回まで最少失点に抑えて試合をつくれば、勝ち星を積み重ねられる可能性は十二分にある。

また、セ・リーグの打者は田中の球を見慣れていないというのもプラスに働くだろう。開幕から巨人打線は好調で、大量の援護点を期待できるチャンスもあるだろう。

4月3日の勝利で日米通算200勝まであと2勝と迫っているが、これらの要素に加え、MAX149キロを記録するなど球速も回復しており、今シーズン中に大台の200勝へと到達するのは現実的だろう。

とはいえ、昨年最多勝を獲得した菅野並の活躍をするとなれば、さらなる球威の向上が求められるのも否めない。