食事会メンバーも店探しもしていなかった中居氏

フジ・メディア・ホールディングスが公表した第三者委員会の290ページにも及ぶ調査報告書によると、一連の問題が生じたのは2023年6月2日。

中居氏が「今晩、ご飯どうですか?」などと女性に連絡し、女性は食事に行くこと自体については特に違和感を持たず、同意。中居氏は「はい。メンバーの声かけてます。また、連絡します」などとメッセージを送ったという。

元タレントの中居正広さん(写真/産経新聞社)
元タレントの中居正広さん(写真/産経新聞社)
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何度かやり取りする中で中居氏は、「隠れ家的な、お店。自信はありませんが、探してみますね」「雨のせいか、メンバーが歯切れわるくいないです。」などと伝えている。

第三者委員会は、中居氏が大物タレントであり、フジテレビにとって有力な取引先であることから、女性との間に圧倒的な権力格差が存在していたことを認めている。さらに中居氏からの連絡が食事会に他のメンバーが同席すると思わせるような内容になっており、女性が業務の延長線上であるとの認識をもつことは自然であると結論づけた。

調査報告について説明する第三者委員会の竹内朗委員長
調査報告について説明する第三者委員会の竹内朗委員長

なお、中居氏は実際には女性以外は他に誰も食事に誘っていなかったし、飲食店も探していなかったという。

結果的に中居氏が所有するマンションでの食事を提案され、そこで女性は性暴力を受けたという。この性暴力とは「同意のない性的な行為」「性を使った暴力」全般を意味している。

港元社長らフジテレビの役員は当初、これが業務時間外に中居氏のマンションで起こったことであり、プライベートでの問題であると認識していた。第三者委員会はその点について問題だと指摘している。プライベートな問題であると即断したため、被害者女性は「会社は守ってくれない」「会社から切り離された」と孤立感を強めたという。

今回の調査によって、フジテレビの経営陣や関係者の人権意識の低さが浮き彫りとなった。適切な経営判断を行なう知識や意識、能力が不足しているのは明らかだといえる。

また、第三者委員会は日枝久氏が取締役相談役として、トップ人事を決めていたことを認めている。長きにわたって経営の中枢に鎮座し、旧態依然とした役員体制を醸成したことへの責任も否めないだろう。

日枝氏は6月の株主総会で取締役を退任することが決まっているが、第三者委員会による会見では、日枝氏が重要な人事権を持っており、一連の問題に対して説明責任があるだろうとコメントした。