1985年は230円!? ハンバーガーの価格変遷  

ここで改めて、日本マクドナルドの価格改定について、ハンバーガーの価格(税込)で振り返ってみたい。

1971年に東京・銀座に第1号店をオープンした当時は80円。段階的に値上がりし、1985年に230円になると、95年には136円に、2002年には62円へと大幅な値下げに踏み切った。そこから再び段階的に値上げを行ない、今回の価格改定へと至った。

ハンバーガーの価格が60円代だった2000年代初頭を経験している世代にとって、今回の価格改定は「高い」という印象があるだろう。街の人々に取材を行なうと、昔を懐かしむ声が多く聞かれた。

写真はイメージです(PhotoACより)
写真はイメージです(PhotoACより)

「今で言うファミレスのドリンクバーみたいな感覚だった」と話すのは40代の女性だ。

「当時は携帯電話があまり普及していなかったので、友達と交流するには“直接会う”しかなく、しゃべり場所を求めた中高生が店内に大勢来ていました。

みんな62円のハンバーガーを食べてお腹を満たしたあとは、おかわり無料のコーヒーで居座っていましたね。今で言うファミレスのドリンクバーみたいな感覚で利用していた人も多いと思います。

最近はマックで勉強したり仕事をしたりする人もいますが、当時は若者がうるさくてそんなことできなかったし、そもそもファストフード店で何か作業をする文化はありませんでした」(40代女性)

写真はイメージです(PhotoACより)
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また、「お金がない頃、マクドナルドに救われた」という声も多く聞かれた。

「浪人生時代はお金がなくて、毎日マックに行って62円のハンバーガーを食べてました」(40代男性)

「お金がない大学生のときに友達とカラオケでオール(徹夜)したあと、始発まで時間をつぶすときとかによく行ってました。当時は店内に喫煙所があって、友達とたばこを吸いながら、おかわり無料のコーヒーを飲んでずっとしゃべってました。昔と味は変わらないのに、ハンバーガーの値段は3倍くらいになってしまってちょっと残念です」(40代男性)

「高校の部活終わりに腹を空かせてよく行ってたなぁ。62円のハンバーガーを二つ買って、自分でビックマックみたいにして食べるのが流行っていました。友達と何個食べられるか競い合って、10個以上食べたこともありましたね」(30代男性)