そして生まれる超格差社会
こうした悪循環で格差がどんどん広がり、しまいには「超格差社会」を招いていく恐れがある。
「格差が広がっていくとは社会の安定性を損ないます。そうした状況を回避するためにも政府は中小企業向けの政策を強化して、賃上げができる企業を増やしていくことが求められます。一方で、日本ではM&A市場が育ってきており、合併や再編等を通じて倒産を回避できるようになってきています。
M&Aなどを積極的に活用して、体力のある会社と中小企業が合併すれば、その企業の雇用が守られます。企業統合を進めて、賃上げができる企業を増やしていくことも、今後は重要になってくると思います。もちろん企業だけでなく、政府・自治体・金融機関なども協力して、日本人全体の給料が上がっていく社会を作っていくべきでしょう」
日本では1980年代から格差社会が始まったとされている。それから約40年、格差は縮まるどころか、より一層、大きな格差が生まれる時代へと突入している。この問題は各企業だけの問題ではなく、国全体の問題となっている。
取材・文/集英社オンライン編集部