初任給30万円を超える企業が続々と
ユニクロやGUを展開する「ファーストリテイリング」は、今年入社する新入社員の初任給を30万円から33万円に引き上げることを発表した。
日本最大のベンチャーキャピタルでもある「SBIホールディングス」は1月29日、新入社員の初任給を4万円引き上げて34万円にすると発表。さらに「大和ハウス工業」にいたっては、初任給を一律10万円アップ。大卒社員は35万円になる予定だ。
そのほか、ソニーグループ、明治安田生命、住友生命、りそな銀行、アイリスオーヤマ、サントリー、モスフードサービス、NHKなどなど、多くの企業が初任給の引き上げを発表している。
これに関してまず問題視されているのは、既存社員のモチベーション低下だ。いままでコツコツと頑張り、少しずつ昇給してきたにも関わらず、新卒の社員が一気に同程度の給与をもらうことになるのはどうなのか? まずは今いる現役社員の手当てを先にするべきなのではないか、という指摘がSNSで相次いでいる。
〈既存の社員の給料上げろよ 働くの馬鹿らしくなって辞めるぞ〉
〈優秀な人材を獲得するためには初任給30万にする必要があるんだろうけど、新人なんて簡単に辞めてくよ。その会社を今まで支えてきた既存社員をもっと大事にした方がいいと思う〉
〈もしも俺と部下の給料の額が逆転したら 部下には何も言わないよ、仕事教えない フォローしない 指導しない 責任負わない 会話しない 最低限これらを徹底する そりゃそうでしょ〉
もちろん、ほとんどの企業は今回の新卒の初任給の引き上げに合わせて、既存社員の給与のベースもアップすると掲げているが、複雑な思いをしている社員がいるのは確かだ。
また一方で、この新卒の初任給アップは、新卒側も気を付けなければ思わぬ落とし穴にハマってしまうという。「就活生や新入社員は、給与アップを手放しに喜ぶには注意が必要です」と、株式会社人材研究所のディレクター・安藤健氏が指摘する。