外国人投資家によるタワマン爆買い

外国人投資家も、本の不動産に注目しています。地震や洪水などの自然災害が多い日本ですが、それでも他国と比べればカントリーリスクが低く、魅力的な投資対象と見なしているためです。

数としては、隣国の中国人投資家が圧倒的に多くなっています。それ以外だと、欧米のほか、最近ではその他のアジア諸国(台湾、シンガポールなど)出身の投資家も珍しくありません。さまざまなタイプの物件が買われている印象ですが、顕著なのは都心部のタワマンです。

これまでの円安の後押しにより、高額物件を爆買いする外国人投資家が増えましたが、今後、為替が円高に振れても日本の魅力は揺るがず、不動産投資も加速していくでしょう。

ちなみに、現時点の日本では10億円を超えるような超高額物件というとまだ数が少ないですが、先進国の主要都市には、富裕層をターゲットにした超高額物件がトにした超高額物件がたくさんあります。

たとえば、ニューヨークでもっとも高層の住宅用ビル「セントラルパーク・タワー」最上階のペントハウスは、2億5000万ドル(1ドル=150円で計算すると、日本円にして375億円前後)という異次元の販売価格で世界的に話題になりました。

2023年に竣工した東京都港区の麻布台ヒルズのレジデンスは、販売価格が最高200億円以上と報道されましたが、日本でも今後、このような超富裕層・投資家向け物件の供給が増えていくと考えられます。

日本の不動産を買っている外国人投資家は、10億、100億という単位のお金を即金でポンと出せる並外れた富裕層ばかりではありません。最近は、一部の外国人の間で、日本の空き家に対する関心が高まっています。

ご存じのとおり、日本では住み手のいなくなった戸建の空き家が急増しています。郊外に行くと、そうした物件を激安で入手できるため、伝統的な和風のしつらえの民家(日本人の普通の感覚からすると、古めかしい昭和のボロ家)を安く買い、DIYして住んだり、民泊にして貸したりする事例が増えてきているのです。

駅前の豪華なタワマンと郊外にある古い戸建──両極端ではありますが、これらは2030年以降も外国人投資家の関心を集め続けるでしょう。

タワマンの居住者の外国人の割合がどんどん増えている
タワマンの居住者の外国人の割合がどんどん増えている
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