代役に求められることと、浜ちゃんにしかない存在感
そんな「浜ちゃん」の代役はどんな人物が務められるだろうか。
バラエティ番組の司会の多くは、2種類に分かれるだろう。
トークまわしでゲストの魅力を引き出すホスト役など、司会者が「メインディッシュ」として位置づけられているタイプ。
もう一つは、番組の企画がしっかりしていて、そこにちりばめる「スパイス」としての役割が求められるタイプだ。
浜田のケースで言えば、ゲストのエピソードを引き出す「ダウンタウンDX」や「ジャンクSPORTS」などは前者で、企画や共演者のセンス・技術に焦点を当てる「水曜日のダウンタウン」や「プレバト!!」は、後者の立ち位置と考えられる。
当然ながら、代役がフィットしやすいのは、後者のスパイス型だ。
その特異な例として「行列のできる(法律)相談所」(日テレ系、今月終了予定)があったと、某番組制作会社の男性は話す。
「長年番組MCを務めてきた島田紳助さんが芸能界引退した後も、複数MCのローテーションで14年弱にわたり継続してきました。
ただ、年を追うごとに形骸化しつつも、一応『弁護士を軸に』という建前があったことから、紳助さんはスパイス的な位置づけだった印象ですね」
代役を立てることで成立する番組もある一方で、浜田の休養によって苦境に立たされるのは、メインディッシュ型の番組だろう。
「とくに『ごぶごぶ』『浜ちゃんが!』といったロケ系の番組は、浜田さんありきで成立している部分が大きいです。
これらの番組の視聴者からは、浜田さんの不在による渇望感が高まり、代役では“物足りなさ”を感じかねない。
一方で『やっぱり浜ちゃんじゃないと』と視聴者が感じることで、復帰後の浜田さんのブランド価値は、これまでより増すことも想像できます」(前出・某番組制作会社)
では、「ダウンタウン」というコンビ名を冠にもつ番組はどうだろうか。
「1年以上にわたり浜田さんが1人で頑張ってきましたが、2人が不在となる期間がいたずらに長くなるとその冠の継続もそろそろ危ういかもしれません。
浜田さんの休養期間にもよると思いますが、ダウンタウン不在でも番組名を変えず続けていくのか、それとも『人志松本の酒のツマミになる話』(フジテレビ系、現在は『酒のツマミになる話』)のように名前を変え継続していくのか。打ち切りという可能性もゼロではないでしょう。
ただ、松本さんが裁判に注力する間もその冠を守り、帰りを待っていた番組です。きっと2人の帰りを待ち続けるのではないかと思います」(前出・某番組制作会社)
長く日本のお笑い界のトップを走り続けてきた2人がテレビから姿を消す。彼らが2人揃って復帰先に選ぶのはテレビ番組か、それとも『ダウンタウンチャンネル(仮)』か。
ダウンタウンにとって最終章の岐路であることは間違いないだろう。
取材・文/集英社オンライン編集部