2014年に「消滅可能性都市」に…NPO代表は「この取り組みが他自治体の参考にもなれば」
群馬県桐生市は、かつて織物産業の中心地として華やかに栄えたが、バブル崩壊後は人口の流出に歯止めがかからず、2014年には日本創成会議に「消滅可能性都市」と指摘された。
『冥土喫茶しゃんぐりら』を運営するNPO法人キッズバレイの代表理事・星野麻美氏は言う。
「ここは桐生市の中心地に位置し、コワーキングスペースなどとして運営していました。周辺にはレストランなども何店舗かありましたが、3年前にデニーズが閉店したことで高齢者が集う場がなくなり、居場所が消えたのです。どの年代にとっても居場所は大事です。私たちのこの取り組みが他都市の自治体さんの参考にもなればと思っています」
店のメイドのリーダー・ココさん(66)は、角田さんの帰宅をこんな言葉で送った。
「この世に疲れましたら、またお越しください」
笑顔で帰っていく角田さんを見つめるココさん。
SNSなどで情報を得た人が東京だけでなく富山や大阪などから集まる『冥土喫茶しゃんぐりら』。全国津々浦々から、冥土という“終わり”から始まる何かを求めて、人はやってくるのかもしれない。
取材・文/河合桃子