「執着せずに、手放せば満ちる」 

歌と演技、どちらも真摯に取り組む斉藤。この先の芸能活動については、どのように考えているのだろうか。

「なるようになるという自由さ、潔さみたいなものは持っていたいですね。自分の中で何か違うなと思ったときには、しがみつかずに、すごく軽やかに違う方向に一歩進めるような覚悟というか。

最近、福井県に永平寺を開いた道元禅師の『正法眼蔵』っていう超絶難しい本の初心者向けを読んでいるんですけど、そのなかに『放てば手に満てり』っていう言葉があるんです。これは執着せずに、手放せば満ちるっていう意味なんですよ。

『これは私のもの』『これは私のキャリア』ということではなくて、何かを手放したとしても、そこには別の何かが満ちるという考え方は持っていたいなと思います」

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取材・文/羽田健治