恋愛イベントで“女性無料”が多い理由

また、マッチングアプリにいたっては、多くの大手アプリが男性は有料、女性は無料というシステムをとっている。

なぜ、「街コン」や「マッチングアプリ」などで、なぜ女性のほうが料金が安くなっているのか。

東京都立大大学院経営学研究科、准教授で『婚活との付き合いかた』の著者でもある高橋勅徳氏に話を聞いた。

「料金格差の理由は、恋愛・結婚市場における、男女間の機会格差が原因であると考えられます。過去の恋愛・結婚に関する調査では、男性より女性の方が出会いの機会・交際人数ともに多いことが指摘されています。

男性にとってマッチングアプリや街コンは『恋愛・結婚につながる出会いの機会を増やす』ツールになりますが、女性は日常生活でも比較的出会いが得られることが多いため、各種サービスを利用するメリットは低くなっているのです」(高橋勅徳氏、以下同)

一般的には女性のほうが出会いが圧倒的に多い(画像/ Shutterstock)
一般的には女性のほうが出会いが圧倒的に多い(画像/ Shutterstock)

つまり、料金差は“男性差別”意識から生まれたのではなく、あくまで企業が経営資源として男女をどう評価するのかの違いでしかないというのだ。例えば、一般的な街コンでは男性の料金のほうが高いが、超高収入男性との出会いを売りにする婚活パーティーなどでは、女性のにもそれなりの金額の参加費が求められるケースが存在する。

このように評価基準を変えた場合、収益源と集客源の評価は逆転し、希少性の高い(=日常生活では出会うのが難しい)ほうを集めるための料金設定がされている。

「とはいえ、基本的には『恋愛・結婚につながる出会いの機会が少ない』男性のほうが大多数です。だからこそ、多くの婚活支援サービスは無料・低価格を売りにして女性の参加者を増やし、男性側に課金を求めて収益源とするビジネスモデルが主流になっているのだと考えられます」

こうして考えると、味の素スタジアムの婚活イベントしかり、牛角の女性だけ半額のキャンペーンもしかり、値段の差にはそれぞれ合理的な理由があり、“男性差別”には当たらないように見える。