「一つの悔しさもない、人生で一番美しい時間」
決勝も「いつものメンタル」で挑んで米国に48-41で勝利した日本は、表彰台の頂点に立った。金メダルを獲得して、見えた風景はどのようなものだったのか。
「一つの悔しさもないことですね。他の国際大会で優勝しても、パラに向けての課題が見つかって、気になることがの方が多かった。それが、最大の目標にしていた金メダルを獲ると、すごく新鮮な気持ちになりました。チームメイト、応援に駆けつけてくれたファン、そして決勝を戦った米国チームからもらった言葉。すべてが人生で一番美しく感じた時間でした」
帰国後はイベントやメディア出演、表彰式に忙殺されながらも、2028年のロサンゼルス大会に向けての準備も始まっている。車いすラグビーは選手寿命が長い。44歳の池には2連覇の原動力になってほしいとの期待もある。
「島川慎一さんは、日本代表で僕より年上で選手をしていましたが、やはり、自分自身としてはケガをしやすい体に変わってきているなと感じています。もちろん、今はロサンゼルスを目指すつもりです。ただ、競技をいつまでできるかわからない中で、次の誰かに受け渡す形になるかもしれない。それはまだわかりません」
先述したように、代表選手12人のうち11人が東京大会の経験者だった。その意味では、ロサンゼルス大会に向けての最大の課題は、新しい世代を育成し、選手層の厚みをつくっていくことになる。では、若手の選手には、どんなアスリートになってほしいと考えているのだろうか。