6月、北海道・旭川市で行われた、車いすバスケットボール体験会の様子
6月、北海道・旭川市で行われた、車いすバスケットボール体験会の様子
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競技の垣根を越えた取り組み

コートを滑るように動き回る競技用車いすのスピード感。ぶつかり合う車体の衝突音。闘志みなぎる選手たちが激しい攻防を繰り広げた先には華麗なシュートと観客の興奮が待つ。

ルールは障がいのレベルと車いすを使用する競技特性に合わせて規定されているが、コートやボールのサイズ、ゴールリングの高さ、ポジションは健常のバスケットボールと同じ。そのため車いすバスケットボールはパラスポーツを見慣れない人も、ごく自然に試合に入り込める、パラスポーツの入り口にはもってこいの競技だ。

「競技用車いすの操作を覚えれば、障がいの有無にかかわらず誰もが一緒にプレーできる。」こうした特長に価値を見出し、健常のバスケットボールと車いすバスケットボール両方をサポートし続けるのがメインパートナーの日本生命である。

『オールバスケで日本を元気に!』

「バスケットボールは障がいの有無や年齢、性別を問わず気軽に楽しめるスポーツです」それを物語っているのが日本バスケットボール協会(JBA)の掲げる『オールバスケで日本を元気に!』というスローガンだ。

「2017年から日本車いすバスケットボール連盟(JWBF)をサポートしてきた我々はその理念に共感し、2019年4月からJBA、2021年3月からはB.LEAGUE(Bリーグ=ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ)のサポートも始めました。

そしてバスケットボールを通じ、より広い取り組みができないかとJBAに働きかけを行い、『ALL BASKETBALL ACTION』(オール・バスケットボール・アクション)を立ち上げ、2022年8月にJBAとJWBFとの共同事業としてスタートしました」

執行役員でチーフサステナビリティオフィサー兼主計部長の鹿島紳一郎さん
執行役員でチーフサステナビリティオフィサー兼主計部長の鹿島紳一郎さん

縦割りと言われる日本のスポーツ組織にあって、オリンピック競技とパラリンピック競技の垣根を越えたサポートを形にし、新風を吹き込んだ日本生命。

その経緯を説明する同社執行役員でチーフサステナビリティオフィサー兼主計部長の鹿島紳一郎さんは、「企業と競技団体が相互連携・融合する新しい形をつくれたのではないかと思う」と続ける。