「ヤンキー連中とも仲良くしていた」
アパートは7畳ほどのワンルームで家賃3万円~3万5千円だが、矢口容疑者の実家は近所にある古い平屋建て住宅で、老いた父親が1人で住んでいるようだ。実家近くに古くから住む人はこう証言した。
「矢口さんの家は40年以上前からあると思うよ。オヤジさんは長野駅の、それこそ事件現場のすぐ近くで時計屋をしていたんだよな。子どもは3人全員が男で、ユウスケが末っ子だな。奥さんはもう30年近く前に病気で亡くなった。子どもも全員出ていって、今はオヤジさん一人で住んでるよ。
最近はほとんど地域とも交流はないし、玄関前に布みたいなものをかけているから中の様子がよくわかんないんだ。インターホンもテープで隠して押せないようになっていて。奥さんは社交的だったんだけどね。多分、ユウスケだと思うけど、少し前に何度か中年の男が外に出てタバコ吸っていたな。平日の昼間だったから、仕事はしてなかったんじゃないかな」
父親の「仕事場」の近くで通り魔に豹変した矢口容疑者は、いったいどんな人物なのか。
中・高時代の同級生の男性もこう首を傾げた。
「クラスでは人当たりもよくて、ケンカはしないけど、目立つほうでしたね。今なら”陽キャ”っていうんですかね。中学ではバスケ部で、ヤンキーの連中とも仲良くしていたし、勉強もそこそこできました。高校ではバスケはしてなかったけど、変わらず明るいキャラでした。
あだ名とかは特になくて、みんなから『ヤグチ』って呼ばれてました。大学は東京に出て、たしか理系の国立大だったと思います。社会人になってからも何度か飲みにいったりスキーにいったりして遊びましたよ。彼はスノボやってましたね。
最後に会ったのは20年くらい前で、そのころは千葉に住んでいて、IT関係の仕事に就いていたはずです。その後はてっきり結婚して子どもつくって幸せな生活を送っているだろうと思ってました。それだけに『何があった?』のかという思いです。悲しいですね」
地元紙記者もこう補足する。
「勉強もでき、運動もできた。スノーボードやサーフィンなどの趣味もあったといいます。ですが、最近の矢口容疑者は突然、人を怒鳴りつけたりするなど挙動がおかしく、近隣でも奇行がみられていたようです」
矢口容疑者は逮捕後の取り調べでは雑談には応じるものの、事件については黙秘を続けているという。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班