1度も男性たちと会わずにお金を騙し取った大胆な手口
「井田容疑者は2023年、マッチングアプリで知り合った男性=当時66=から67回にわたり、現金計約3200万円をだまし取った疑いなどがもたれています。警視庁による井田容疑者の一連の逮捕は4回目です。昨年10月、そして11月には2度、同様の容疑で逮捕されていました」(社会部記者)
集英社オンラインは複数の被害男性に取材し、これまで井田容疑者が複数のマッチングアプリで出会った男性たちから金を騙し取ってきた手口や、彼女の人となりを詳報してきた。
井田容疑者が男性から金をせしめる手口は驚くべきことに、1度も男性たちと会わずに、LINEなどのやり取りで完結しており、実に大胆不敵といえる。
〈勤めているキャバクラで財布がなくなった〉
〈今日中に託児所のお金を支払わないといけない〉
〈滞納している家賃を今日中に払わないといけない〉
取材した被害男性たちによれば、井田容疑者はこうした理由をつけては金を銀行口座に振り込むようせがんだという。
井田容疑者は男性たちの恋愛感情につけこむように、結婚の約束をしたり、体の関係を約束したり、『会うから信用して』と、全裸や局部のアップなどの写真を自ら送りつけたりしたこともあった。
#1で報じた千葉県市原市に住む男性Aさんも井田容疑者に金を貸して返済されていない被害者のひとりだ。
Aさんによれば、LINEでの会話はほとんど金の無心が中心だったという。ただ、金を貸すと、結婚をほのめかしたり、下着姿の写真を送ってきたりと、井田容疑者の“アフターフォロー”は抜かりがなかったという。
「正直、騙されていると思っていましたよ。でも自分しか助けられないような気持ちになってしまったんですよね。
騙されていると思いつつも、金を貸していた部分もあります。井田に貸した金額は全部合わせて約2400万円になります。被害者のなかでも私は被害額が大きいほうだと思います。
私は弁護士を雇って、井田を相手取り、2400万円を返してもらうべく民事訴訟を起こしました。もちろん、井田は一度も出廷しませんでした。
昨年、井田に約2200万円の支払いを命じる判決が出ました。ですが、まだ1円も返ってきていません」(Aさん)
警視庁は、Aさんのような井田容疑者による「ロマンス詐欺」の被害男性は全国各地におよそ90人もいるとみている。