「すべるんです!?の巻」(ジャンプ・コミックス78巻収録)

今回はアイススケート場で大暴れしていた両さんとマリアの父・麻里晩(あさと・ばん)がスカウトされ、インラインスケートの競技に参戦するお話をお届けする。

まずは、作中で両さんが中川、麗子と一緒に楽しむアイススケートについて簡単に紹介しておこう。

アイススケートは、底面にブレードを備えた靴を履いて氷面を滑る遊び・競技。ブレードでプッシュされることによって氷面が溶けて水となり、潤滑剤の役割をはたす。その結果、摩擦が減じて滑ることが可能になる仕組みだ。

競技としては、リンクを周回してタイムを競うスピードスケート、氷上で音楽に合わせて演技をするフィギュアスケート、ホッケーを氷上で行うアイスホッケーなどがある。

そして、両さんと晩が臨む競技は、複数の小さな車輪をアイススケート用シューズのブレードに当たる位置に仕込んだ靴を用いて行うもの。これはいわゆるインラインスケートだろう。もともとはアイススケートの練習を夏季に行うために開発された。

自動車のように四輪を配したローラースケートと比べて、直進性やスピードにすぐれている。そのため、現在ではスピード競技やマラソン競技が盛んに行われている。身体の動きが似ているスキーのトレーニングにも利用されているようだ。

ちなみにアイススケート場はレジャー用、競技用ともに、近年は減少の一途をたどっている。

アイススケートは、高度成長期に大衆娯楽のひとつとして定着。だが娯楽の多様化、施設の老朽化、維持費の高額さといったさまざまな要因が重なり、次第にスケートを行う場であるスケートリンクの数が減少。

2006年のトリノオリンピックでの荒川静香による金メダル獲得や、浅田真央や羽生結弦といったスター選手の登場はスケートブームを巻き起こしたが、それでも冬季オリンピックが終了すると再び下火になってしまうようだ。

冬らしさを手軽に味わえるアイススケート場、ぜひとも頑張って存続させてもらいたいものだ。

それでは次のページから、両さんのメチャクチャなスケート競技での奮戦をお楽しみください!!