裸の遺体役を演じたのは3人の人気女優

横浜流星演じる蔦重こと蔦屋重三郎は、江戸で喜多川歌麿や葛飾北斎らを見出し、日本のメディア産業の礎を築いたとされる人物。

ドラマでは18世紀後半の江戸を舞台に、吉原で生まれた蔦重が貸本屋から身を起し、さまざまな文化人たちと交流を重ねながら“江戸の出版王”へと成り上がっていくさまを描く。

NHK放送博物館で開催されている「べらぼう展」より
NHK放送博物館で開催されている「べらぼう展」より
すべての画像を見る

話題となったのは、蔦重が幼少期から世話になった「河岸見世」という、吉原の中でも格式の低い店で働く朝顔(愛希れいか)が衰弱死し、全裸で地べたに捨てられているシーンだ。女郎たちの着物は金になるからと、死んでなお身ぐるみ剥がされてしまったのだ。

その朝顔のもとに蔦重が駆け寄り、布をかぶせ「きつい勤めだけどおまんまだけは食える。(略)それが吉原なんだよ! それがろくに食えもしねえって、こんなひでえ話あっかよ!」と涙を流す。

このシーンでは朝顔の臀部を隠すように上に別の女郎の遺体が、さらにその足元や左隣にも別の女郎の遺体があり、計4体の遺体が転がっているという衝撃的な映像が放送された。

そしてもうひとつ話題となったのが、朝顔の臀部を隠すように折り重なっていた遺体と、その傍らに捨てられた2体の遺体を演じたのが、AVモデルプロダクション「エイトマン」に所属する吉高寧々さん、藤かんなさん、与田りんさんの3人の人気セクシー女優だったことだ。

左から藤かんな、吉高寧々、与田りん
左から藤かんな、吉高寧々、与田りん
すべての画像を見る

朝顔の遺体の足元に捨てられていた遺体を演じたのが、以前、集英社オンラインでもインタビューをした、大阪大学大学院卒で理系研究職からセクシー女優に転身した藤かんなさんだ。本人に撮影当日の様子を聞いた。

「撮影したのは昨年9月28日で、ロケ地は鎌倉の円覚寺でした。朝4時に集合し、髪のセットや遺体に見えるように青白っぽいスプレーを全身に振りかけ、地べたに7時間ほど伏せていました。

 地面は冷たく、体温を奪われ、私も同じ事務所の吉高寧々さんも与田りんさんもどんどん顔が青白くなっていき、本当の遺体みたいな顔になっていました」

ドラマのオープニング映像では3人のクレジットが流れた(藤さんSNSより)
ドラマのオープニング映像では3人のクレジットが流れた(藤さんSNSより)

7時間も裸で地べたに伏せるのは相当きつかったのではないかと問うと、「50人くらいのスタッフの方が休憩なしに動く姿に本気を感じたし、きついというより皆さんが納得する絵が撮れることだけを考えていた」と言う。

「ただ、水は飲ませていただいたのですが、スタッフさんたちが動き続ける姿を見ていると『おトイレに行きたい』とは言えず、後半の時間帯は少しだけトイレを我慢しました(笑)」