「本当に嫌なら10年間も俺のところで働かないでしょう」
「俺は高野に真人間になってもらいたくてずっと目をかけてきた。その様子を見て従業員は俺を“宣教師”って言うくらいでした」
真偽は定かでないが、「高野さんの万引きや置き引きなどの盗み癖を正そうとこの10年間寄り添い続けた」と佐々木容疑者は弁明する。その過程で時折、手が出たこともあったという。
「口で言っても高野の盗み癖やダメなところは絶対なおらないから、手が出たこともあった。とはいえ、何発か平手でひっぱたく程度でボコボコにするとかそんなことはなかった。警察はそれを日常的に俺や従業員が高野に暴力を振るっていたと思って疑っているんです。
だいたい本当に嫌なら10年間も俺のところで働かないで飛べばよかったでしょう。現に仕事が嫌でいなくなることはしょっちゅうありましたが、向こうから戻ってきていたんですよ。むしろ仲良かったんですから」
警察は高野さんがプロレス技をかけられたり、日常的に暴力を振るわれたことで“洗脳状態”にあったとみている。佐々木容疑者は「暴力は教育だった」と言いたいらしい。
12月3日の踏切での事件について、佐々木容疑者は(今年5月の時点で)昨年12月と今年1月に任意での取り調べを2回受けていた。佐々木容疑者は『別に俺も従業員も逃げも隠れもしない』と聴取を担当した刑事に言い放ったという。
「何もやってないのになぜか俺らが疑われている。たぶんだけど12月2日に寮に行った時に2、3発引っぱたいたのが司法解剖で“殴られた傷があるから”とかで疑い始めたんだと思います。
刑事が最初来た時は『高野さんが亡くなったのはご存知ですか?』って尋ねてきた。他の容疑者の写真を見せられたりとかもないし、聞いてくる内容から俺らが日常的に暴力を振るっていたと疑っているのがわかりました。まあ、疑っているのは俺らのことだけだと思いますよ。ほんといい迷惑ですね」