「浮世絵繁盛記の巻」(ジャンプ・コミックス149巻収録)
今回は、両さんが新作の浮世絵で世界規模のビジネスを展開しようとするお話をお届けする。
浮世絵とは、江戸時代に成立した版画もしくは肉筆画による流行画だ。美人画、武将画、役者絵、風景画といった庶民の関心を集める題材を扱い、版元、絵師、彫師、摺師といった分業制によって大量に生産された。
いわば江戸時代のバズり案件を次々とビジュアル化したメディアだったわけだ。
そして本作で両さんは、親戚の人間国宝の摺師を使い、実家にあった当時のものの原版を使用した作品に加え、自ら描いたキャラクターものの新作とで、一気に世界を相手の商売を展開していく。
海外の印象派の画家たちに多大な影響を与えるなどして、現代ではすっかり芸術・美術品としての評価が定着した浮世絵だが、もともと最先端の流行を扱ったポップカルチャーの産物だった。そして両さんは再び、浮世絵を最新のポップカルチャーとして売りだそうとするのだが……。
ちなみに両さんの実家は、百数十年の歴史を持つ浅草の佃煮屋だ。「両津家130年の味!?の巻」(ジャンプ・コミックス81巻収録)ではビンテージ梅干しが、「貨幣は寝て待て!?の巻」(ジャンプ・コミックス84巻収録)では江戸時代の古銭が出土している。
その度に金儲けに走る両さんが騒動を巻き起こしているので、気になる方はぜひ読んでみてほしい。
それでは次のページから、浮世絵による両さんの世界戦略をお楽しみください!!