一般論で語らない!

ネガティブな感想を書くうえでもっとも注意すべきなのは、決して一般論で考えないことです。あくまで「自分が」嫌な感情を覚える点について考えることに注力しましょう。

「みんなも」ここは嫌でしょう? などと考え始めると、感想はドツボに陥るんですよね。

一般論じゃなくて、まずは自分の嫌だった点を深堀りする。

もし、不特定多数のみんなに向けた感想を書きたくても、その前に自分の感想を深堀りして言語化したうえで、みんなに向けた加工をおこなうべきです。決してみんなの言葉を代弁しようとせず、まずは自分の言葉をつくることに専念する。それが、いい感想への近道です。

いい感想とはなにか
いい感想とはなにか
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ポジティブな感想もネガティブな感想も同じように自分の感情を言語化することが重要ですが、とくにネガティブな感想は、みんななぜか一般論で考えようとしちゃうことが多い。たぶん、これを批判しているのは自分だけじゃないはず! と考えたくなるからでしょう。群れから外れたくないという人間の本能なのかもしれません。

でも、ひとまず自分の感情を言語化したほうがいい。私はそう唱えることをやめません。

なぜなら、自分の感情を言語化できていないと、みんなの感想との境目がわからなくなるからです。

みんなの感想と、自分の感想を混ぜないためにも、最初に自分の感想をメモしましょう。

というわけで、ネガティブな感想の言語化プロセスは次の通りです。
 

◎ネガティブな感情の言語化プロセス

(1)「不快」(際立って嫌な感情を抱いている)。もしくは、「退屈」(ありきたりでつまらないと感じる)のどちらなのかを考える

(2)「不快」の場合
① 自分の(嫌な)体験との共通点を探す
② (自分が既に)嫌いなものとの共通点を探す。「退屈」の場合どこがありきたりなのか考える


文/三宅香帆 写真/Shutterstock.

「好き」を言語化する技術 推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない
三宅 香帆
「好き」を言語化する技術 推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない
2024/7/31
1,320円(税込)
256ページ
ISBN: 978-4799330838

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